心臓の動き（心拍）がいつもと違って感じることを言います。ドキドキする、脈が飛ぶ感じがするといった症状です。
これらの脈の乱れを「不整脈」と言います。
私たちの心臓は基本的に一定のリズムで脈を打っています。ところが不整脈になると、安静にしているのに脈がとても早くなったり、脈がばらばらになって胸がおどるような感じがしたり、脈が非常に遅くなったりします。
不整脈全体では、「心房細動」（脈がバラバラになる）、期外収縮（脈が飛ぶ）、発作性上室性頻拍・心房粗動（規則正しく早い脈）などが頻度としては多く、心房頻拍、心室頻拍などは心臓病を持っている人に起こりやすい疾患です。
薬で対処できる場合もありますが、心臓の中の原因となっている場所を細い管（カテーテル）を使って直接治療するカテーテルアブレーションを行うことで根治を目指すこともできます。
動悸症状は通常強い不安感を伴います。まずは診断をつけ、放置しても良いのか、治療が必要かを判断する必要があります。
当院では各種検査機器を揃えており、24時間ホルター心電図は防水仕様でお風呂も入れるなど、皆さまの負担を少しでも減らすよう心がけております。
カテーテルアブレーションが必要な場合は連携病院に紹介いたします。今までの経験を生かし当院でも外来を担当する理事長自らも関連病院でアブレーションを行っておりますのでご希望があればお申し出ください。
不整脈は精神的ストレスで症状が強くなるため、診断がついて適切な対処ができれば薬がなくても症状が和らぐ事もあります。ご心配であればぜひ受診していただき一緒に不安を解決しましょう。

心房細動になると脈が不規則にバラバラになってしまいます。通常動悸症状がありますが、全く症状が無く心電図異常でたまたま見つかる人もいます。
高齢化に伴い頻度は増えており、近い将来日本の患者数は100万人を突破すると言われています。
心房細動になると心臓は不規則に収縮するので血液がよどみ血栓（血液の固まったもの）ができやすくなります。それが頭の血管に飛んで脳梗塞を引き起こします。脳梗塞の約30%が心臓から飛んだ血栓が原因です。寝たきりになる原因の第1位は脳血管疾患ですのでこの数値は見逃せません。心房細動は、心臓病、高血圧、糖尿病、脳血管疾患がある、もしくは75歳以上（もしくは65歳以上）になると脳梗塞リスクが上がるため、血液をさらさらにする薬（抗凝固薬）を使います。心房細動を抑える方法は、抗不整脈薬やカテーテルアブレーション治療があります。長期間心房細動が続いている場合は、脈拍数を調節する薬を使います。心房細動の治療においては、脳梗塞や心不全になる事を防ぐ事が重要です。
患者さん個々の病態や基礎疾患、年齢などに応じて一人一人に適したテーラーメイドな治療が必要です。心房細動を指摘された、もしくは脈のばらつきが気になる方はぜひ一度ご相談ください。

心臓は1分間におおよそ60～100回収縮します。何らかの理由で脈が遅くなる（徐脈）と脳に行く血流が減り、めまいやふらつき、失神を引き起こします。 失神の原因の中でも心臓病は見落とすと命に関わる事もあります。24時間ホルター心電図を行っても診断がつかない事もあり、その場合、植え込み型ループレコーダー（皮下に植え込む小さな心電図記録装置）を考慮します。 診断の結果、脈が遅い事（徐脈）が原因であった場合はペースメーカーを植え込みます。 当院では総合病院同様のペースメーカー植え込み後の定期フォローを行っています。家庭からデータ送信をする機器を使った遠隔モニタリングにも対応しています（機種によっては非対応のものもあります。ご不明であれば一度お問い合わせください）。受診回数を減らす事により通院に伴う負担を軽減し、病院とつながっている安心感をもたらす優れた機能です。 総合病院と比較し待ち時間も短く済み、気軽に相談できるのはクリニックならではのメリットだと思います。定期フォローをご希望の方はお気軽にご相談ください。